[Return] ロータアクト年次大会に寄せて
「年次大会に寄せて」 
             
                             ガバナーエレクト
                               白鳥 政孝

 乱世、変革期の群像を雄大な構想のもとに描いた小説や紀行文など、多く作品を遺した司馬遼太郎さんが、「21世紀を生きる君たちへ」という一文を寄せています。
 支えあって生きている人間社会には「いたわり、助け合う、やさしい」という大きな道徳があります。道徳は人間の本能ではないから「思いやりの心」というのは、日常生活において訓練しなければ身に付けられないと、人が訓練することの大切さを述べています。
 ローターアクト・クラブの皆さまは、例会を開いています。そこでは仲間やロータリアンと接する中で、自分を向上させようと努めています。向上する意識が高まるほど、高度な道徳が身に付くのです。また例会は心を癒すオアシスのような休息の場所でもあります。例会は仲間の集う、潤いのある大切な場所です。だから、皆でそのような雰囲気を醸しだす例会にすることが肝心となります。
 それには会員同士が、お互い信頼関係を生むことが必要となります。ここでも一口に「フェアであれ」「協調せよ」と言っても、簡単にできることではない。相手とうまくやっていくには、自分も我慢をする覚悟がいるのです。やはり我慢をする訓練が必要となります。
 結局、人は幾つになっても、この訓練から開放されることはありません。自分の欲望をコントロールする訓練が、この世に秩序と安らぎをもたらします。訓練された心を家庭で、実社会で発揮したならば、素晴らしい社会を自分の身辺に作ることができます。これが奉仕の基本であります。
 今の世相にあってローターアクト・クラブの存在価値は高まるばかりであります。崇高なる目的のもとに集う皆さん、クラブを日本の近代化に寄与した寺小屋教育になぞらえて大いに語り、学び、睦び合い同好の仲間を加えようではありませんか。