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6月30日(月)  2007−08年度 最終日を迎えて
 曇り
 ついにこの日を迎えた。昨年の今日は終わりでなく、また翌日から始まる日であり、連続して二期目のガバナーを務めることになった。ガバナーノミニー、エレクト、ガバナー、ガバナーと約3年半の間、事務所の立上げから始まり、エレクトしての研修会、ガバナーとしての研修会、任務遂行のための各種研修会、国際大会、国際協議会、ロータリー研究会、地区大会、地区協議会、PETS、地区チーム研修会、クラブ公式訪問等々すべて一回行なった上でまたその繰り返しとなる。 しかし、その繰り返しは前年度に体験したことと同じようでいて同じでなかった。時系列的には前年度踏襲を歩んだが、内容はすべて新たな考えを持って臨んだ。ただ時間がなく、地区委員会においては一部の委員会にしか関与できなかった。今後、ガバナー補佐選出、地区研修会のあり方、地区委員会の構成、任期、会計などは、地区改善にとっては大きな課題である。
 今年度は地区幹事団、月信担当、地区大会の関係者など私以外はすべて新しいロータリアンで構成したが、実に素晴らしいチームワークを発揮して諸々の事業を消化し、それぞれの役を見事に成し遂げてくれた。そこにロータリー神髄を見たのである。
 また、すべてのクラブ会長・幹事・会員の皆様と地区委員会およびガバナー補佐の皆様のご支援・ご協力に対しても心から深謝申し上げたい。それはどのような言葉を使っても表現できないほど感謝の気持ちで一杯である。また、それぞれのクラブが正しく発展し続けることを心底から願う。
 一期目の当初、ガバナー公式訪問日記を書くように言われて日記を綴っていたが、山中年度から通算30回以上に及ぶ指名委員会を開催したにも拘らず、その年(2006年)の12月になってもガバナー・エレクトが決まらないでいた。そのことから、ガバナー公式訪問日記はガバナー日記へと移行して、心の内を赤裸々に綴っていく日記になった。公のスペースを使い私的な思いを記述したことに、多少の後ろめたさを感じていたが、ロータリー情報の公開の原則に従えば良かったことと思っている。
 最近思うことは、ロータリーは多様性とか自主性を重んじることがいわれているが、これはあくまでもロータリーの基本的な原理・原則をわきまえている人に対して言えることではないかと思う。ロータリーの原則から逸脱して、ロータリーの理念を全く考慮しない世俗の考え(当該者独自の考え)をそのままクラブ運営に適用していることからクラブに乱れが出てくるのが散見される。 本来人間関係に平等(対等)であることにロータリーの素晴らしさがあるのに、それを破壊するがごとき心ない人の傍若無人な振舞によってクラブが精気を失い、良質のロータリアンが退会していく様は真に残念であり、由々しき事態である。
 基本的なロータリー情報を知り、ロータリーを人生の心の糧にすることだ。ロータリーは出した結論より結論を得る過程(プロセス)が大事であり、その課程には、多岐に亘り学ぶことや親睦を育む機会が沢山ある。きちんとした過程を経ることが品位ある人格を形成し、価値ある親睦を醸成していく。それにはロータリーの歴史を知り、ロータリーの定款細則を手抜きせずに、かたくなに遵守する気構えがなければならない。
 ロータリーは倫理運動である。倫理とは人と人との間柄(人間関係)を美しく保つ努力を重ねることから生まれる自己練磨であり、そこには慈愛、愛(アガペー)が育まれ、愛が双方に満ち満ちて来ることである。
 ロータリーではあらゆる機会を通じて倫理を身につける訓練をして、ロータリアンは社会道徳、商業道徳を形作り、それを推進する人であるから、社会のあらゆる面において模範となってくる。また、そうならなければならない。模範であるということは、その人の人となりに美しさがあるのです。人は美しさに惹かれるものです。常に、謙虚に自己研鑽に励んでいる人の言動は次第に美しさが漲り、その美しさに人は救われるのです。
 古代ギリシャの哲人が「美は道徳的な善であり、醜こそ唯一の悪である。」という言葉を遺している。この言葉の思想は不易であり、私たちはこの言葉をじっとかみ締めたいものだ。
 尊敬する銚子RCの猿田宮司さんから「本当に美しいという感動は誠実さと真剣さに接した緊張感の中にある。」という言葉をいただいた。
 今後、先輩ロータリアンが苦慮しながら開発したロータリーの思想を今一度学び、身につけ、ロータリアンとしての誇りを堅持していきたいと思う。
 終わりに当たって、皆様から受けたご恩に報いることは何かを自問しつつ、一方では「老兵は消える」といったマッカーサーの言葉も大切にしたいと思う。
 これで二年に亘るガバナー日記を閉じますが、皆様本当にありがとうございました。