[Return] 2007年11月 ガバナー日記
11月6日(火)  流山RC  流山中央RC
晴れ
11月3、4日に行われた第2770地区(埼玉)地区大会に出席、中村ガバナーの奮闘よろしく見事な大会であった。地区大会はその地区の様子があからさまにでるので勉強になる。他の地区大会にはパスト・ガバナーの外にもガバナーエレクト、ノミニーや一般会員の参加も良いと思う。
前夜に地区大会の打ち上げ会を済ませ、柏に直行し、泊まる。流山生涯学習センターにて吉田國計第13分区ガバナー補佐以下両クラブの役員の出迎えを受ける。

流山中央RCの田口佳子会長は第21代会長に当たり、女流陶芸家である。空手指南の張ヶ谷昇幹事、米本正良エレクト、金井直明副幹事、吉田AGと歓談。今日1名入会して27名となる。委員会の構成にCLPの採用を薦める。まず会員の意識度のアンケートやクラブの見直しから特長をつかみ、委員会を編成することだ。他のクラブでも説明したことを話す。問題は役員がその気になっても会員が傍観者になっていてはどうにもならない。そこにリーダーシップを発揮する者がいなければならない。2割の会員が協力すればCLPを採用できる。信念を持って行動する田口会長を役員がサポートすることが肝心である。小異を捨てて大同につくことだ。吉田AGにバックアップをお願いする。
会長自らの指導による陶芸教室を開き地域との「ふれあい」を考えている。新疆ウイグル地区の留学生を支援を行い、WCSに強い関心を持っているクラブである。創立20周年記念式典の時新疆ウイグル地区の留学生の楽しい民族ダンスを思い出した。

流山RCの会長は45代目になる。実直な小倉敬之会長、湯浅博之幹事、青木 修エレクト、丹森富雄副会長、木村幸弘副幹事、吉田AGと懇談する。流山は老舗のクラブであるが、残念ながら20名から21名の会員数になっている。地区では第1号のポールはリス・フェロークラブである。
名誉ある実績を持ちながら何故このようになったかを検討する。入会時の選考に大きな問題があった。オリエンテーションも無く入会させていたことと、その後のフォローも無いこと。ロータリー情報の欠如、炉辺会合によるロータリー談義をしないこと。ロータリー理念が語り伝えられてい無いこと、会員増加にあせるあまりスリーピング会員をそのままにしていること、世代交代をうまく乗り越えられないこと、会長の方針に無関心であること等が挙げられた。どうも「悪貨は良貨を駆逐する」と言うグレシャムの法則の通りになっていることが散見できる。この問題をどのようにクリアーするかがクラブの大きな課題となっている。
この際CLPを採用し、マンネリに堕ちている状況を脱皮することから始めることだ。数人でもいい、ロータリー談義をし、従来行なっている社会奉仕活動を全員参加でやることだ。企画力に富み、実行力のある会員が居る。財政的に厳しい中を実に良く運営しているし、ロータリー好きな会員が結束しているのでその輪をすこしずつ広げることだと思う。それと全員がクラブについて真摯に話し合うことだ。
11月7日(水)  印西RC  白井RC
曇り
柏から利根川沿いに落ち着いた町並みを東へ向かう。成田市、印西市、栄町は、利根川の洪水に備えて毎年共同で水防訓練を実施しているそうだ。印西文化ホールに到着する。第9分区のガバナー補佐である寒郡政雄ガバナー補佐が待っていた。

印西RCはローターアクトクラブを提唱している41年目のクラブである。角来幹夫会長、大野尚司幹事、森田靖彦エレクト、寒郡AGと懇談。30名の会員、平均年齢65歳。ここでもCLPに挑戦している。会長経験者からなる8名の検討委員会を立上げ、CLP採用を大きな課題としている。同じ分区内の成田RCの実例を学びながらCLPを推進していく考えだ。角来会長の強い意志を感じた。クラブ運営には会長のロータリーに対する情熱の強弱が重要なモメントになる。次年度にはCLPが採用され、一段と活気ある印西RCを期待できると思う。質問にDLPとCLPとの関連と整合性があった。これはRIと地区ガバナーの関係とRIと、RIと各ロータリークラブとの関係には大きな差があることを説明する。このあたりを各クラブは正しく認識すべきことである。地区のロータリー情報研究会などできちんと説明しておく必要がある。
魅力あるクラブとは何かを模索しつつ、創意工夫を凝らして50名の会員数を目指していくという頼もしい発言があった。生業の継続の難しい中にありながらもロータリーの心を堅持していく意気込みを感じた。

白井RCの伊藤喜典会長、富澤 博幹事、鈴木 孝副会長、寒郡AGと懇談。富澤幹事はベテラン会員で2回目の幹事を務めている。会員数は20名で33年目になる。白井市がオーストラリアのメルボルンの近くのキャンパスピー市と姉妹関係にあることから、毎年30〜40名の中学生、先生、一般市民の相互訪問の交流を続けている。これは白井市国際交流協会の事業であるが、クラブ会長他数名の会員が毎年参加し、現地のグリーンバングセントラルRCとの友好を重ねている。当地で日本庭園を作る際、造園業の会員が招待されたりしている。WCS事業としてバングラデッシュにトイレを作ったことがある。周年記念の時の積立金があるので奉仕活動ができているが、会員数の減少からくる先行きに不安がある。巡回バスの停留所の屋根を作ったり、近隣企業をスポンサーとして休耕田を菖蒲園に変えたりして、市民のお役に立つ事業を行なっている。クラブ内で社会奉仕や国際奉仕と同じようにロータリーの職業奉仕、クラブ奉仕を今一度全員で考え、意見を交換する場を作り、例会における己の人作り、仲間作りについてロータリー談義(炉辺会合)を重ねることが必要だ。その観点からもCLPの推進を進める。

両クラブの棚卸しによるクラブの問題点に差異がある。この場合、合同公式訪問のデメリットを感じた。いままでは合同のメリットを強く感じていたが、そのメリットを活かすには組み合わせるクラブの事情を勘案することだ。適当に組み合わせることはのぞましくない。ガバナー補佐との緻密な連携がなければならない。
当たり前のことだが、DLPの目的を明快にしてその準備をきっちり行なうことだ。DLP、CLPはRIの会員増強=ロータリー財団寄付の増加と短絡的に決め付ける愚を悟ることが肝心である。「否定的であることは無に通じる、本当に人の心を動かそうと思ったら、決して非難してはいけない」
11月8日(木)  千葉中央RC創立30周年記念式典
晴れ
崎山エレクトのチームと懇談後、三井千葉サンガーデンホテルにて千葉中央RC創立30周年記念式典が開催された。台湾・韓国の姉妹関係にあるロータリー・クラブからも大勢参加し華やかさを醸し出していた。
特筆すべきはこの30周年を契機にポールハリスフエロー・クラブを達成したことである。地区では二番目になるが、これは大変な偉業である。増田PGが大会実行委員長である千葉中央RCに深く敬意を表したい。クラブには良い意味でのリーダーの存在は素晴らしい成果を生む。
懇親会はまた大判振る舞いである。司葉子さんの記念講演は懐かしい映画の思い出の話、それに席が隣り合わせていた。ガバナーの特権であろう。司さんの飾らない人柄に触れ、遅まきながらファンとなる。
11月13日(火)  多古RC  小見川RC
晴れ
いよいよ公式訪問の最終日を迎えた。多古町コミニュティプラザに直行。香取信治第8分区代理他クラブ役員の方々の出迎えを受ける。掉尾を飾るかと思うと感無量である。

多古RCでは山崎吉高会長、浅野主久エレクト、高橋勝男副幹事、香取AGと懇談。第8分区4クラブでは女性会員はひとりもいない。多古RCでは過去に1名在籍していたが退会した。女性会員不在は地域の風土からではない、現在の社会情勢についてのロータリアンの認識如何であろう。多古町には小、中、高と公立校が一貫しているが子供が少なく4つあった幼稚園が1つになってしまった。人口23,00人が18,000人になり、1戸当たり(世帯)4.3人から3人の家族数に変わっている。ロータリークラブの会員数の増強については厳しい環境にあるが、質については会員が意識向上に意欲を燃やすかどうかにかかっている。山崎会長はクラブ運営方針を具体的に挙げて、ロータリアンで良かったという充実感を得ようと呼びかけている。
厳しい財政であるが少年野球大会をバックアップしているのは、42年目を迎えたクラブの歴史からくるものの名残だろう。時によっては十分なる見直しをして身の丈にあったプロジェクトに転じることも必要だ。
クラブ運営に全員が参加意識を持つに至るCLPを説明し採用を薦める。会長以下役員の熱意にクラブは充実していくことを確信した。

小見川RCは創立40周年を迎える伝統と歴史あるクラブだ。山田 要会長、飯田雄英幹事、向後康夫エレクト、高岡正人副幹事、香取AGと懇談する。15年前をピークに54名の会員が29名になっている。12名が70歳以上で平均年齢は65歳。常に増強を念頭に入れているが、退会しないことにも配慮している。
多古RCと同じく、いろいろなクラブの環境を考えると、まず現有勢力のクラブの棚卸をして、第3者の目からみたクラブの姿を知ることから始める。会員のクラブに対する帰属意識、愛着度、ロータリアンである意識の度合いなどを省みて、マンネリ化に陥っている組織の改変を行なうことだ。いわゆるCLPである。これは単に組織を簡略化することではない。炉辺会合の効果を組織の中に持ち込んでいるから、委員会が即炉辺会合に繋がる。意見のボトムアップであり、クラブへの参加意識を強固なものにする。委員会に新人、中堅、ベテランを配する方法をとることにより、クラブ内の交流がより盛んになる。思い切ってCLPに取り組むことを薦める。
入会に当たっては職業分類と会員選考を大事にし、会員数を追いかける愚を繰り返すより、ロータリアンの誇り、心のステイタスを矜持についての話し合いができた。
クラブ協議会ではService=奉仕について話す。一般に奉仕というと他への無償供与のことと言うように思われ勝ちだが、ロータリーで言うService はもっと大きな意味がある。己自身も含め他のためになる行為をいう。これだけの説明では短いが、各クラブでServiceについて話し合うことを勧めたい。

 これで公式訪問は終わった。各クラブ、各ガバナー補佐の方々の温情に心から感謝したい。それに素晴らしいロータリアンばかりだ。私たちロータリアンはロータリーの理念の理解を深め、4つの目的(4大奉仕)に向かい努力を永遠に重ね続けることだ。決して力を抜いてはいけない、親睦によって励ましあい、手を取り合ってモチベーション(動機付け)を高く持ち続けていきたいものだ。信念を持って勇気ある行動に強い情熱を加えることだ。
「旧来の因習を打破することは必要でしょうが、あまりにも新奇をてらいすぎることは感心いたしません。永く伝承されたロータリーの美点は十分に守り育てて、後輩に申し送る義務がある。」(寺田欣一PG)。
「否定的であることは無に通じる、本当に人の心を動かそうと思ったら、決して非難してはいけない。間違ったことなど気にかけず、大事なのは破壊でなく人間の純粋な喜びを覚えるようなものを建設することだ。」と言い、それには「真の愛は人間相互の理解し合う所に生まれるが、その理解のためには話し合わなくてはならない」(ゲーテ:平塚新平衛PG紹介)とPGは私たちに名言を遺している。これは時の変遷に関係なく万古不易な言葉であり、今でも私たちは大事にしなければならない戒めの言葉である。
様々な人との交流は私の人生を豊かなものにしてくれた。ロータリーの大きな贈り物である。全てのロータリークラブ、ロータリアン、ガバナー補佐に感謝して公式訪問を終わる。
11月17日(土)−18日(日)  第2590地区(横浜・川崎)地区大会
晴れ、木枯らし1号
第2590地区大会のRI会長代理歓迎晩餐会から参加した。一度投宿してみたかったインターコンチネンタル・ホテルにチエックインし、隣接するパシフィコ横浜会議センターの会場に赴く。大安吉日のためホテル内はお祝いのカップルで華やかであった。亀ヶ谷ガバナーご夫妻の細やかな配慮に感心する。同席の同期のガバナーと談笑、殆ど公式訪問を終えている。RI会長代理は中島治一郎(泉大津RC)様で過去2回ガバナーを務めている。部屋はからの眺望は素晴らしく、みなとみらいの夜景を堪能した。
2日目横浜港内めぐりに参加、税関の高速艇に乗船し、磯子沖まで疾走する。50数年前にヨットの練習や試合に明け暮れていた本牧沖は埋め立てられ、何本かの埠頭になっていた。わずかに堤防と赤白灯台が当時の面影を残している。
午後からの本会議はステージ上に誰も居ない。ガバナー、RI会長代理ともに最前列に位置し、そのつど壇上に登壇する。大変すっきりして良かった。櫻井よしこさんが「世界平和について」の記念講演をしたが、感銘深い話であった。日本民族は、宗教による軋轢の無い民族で、それを特徴としている。また、世界で冠たるすぐれた環境浄化機器の技術を保有している日本は、もっと誇りと自信を持って世界をリードしていかなくてはならない。ロータリアンも意識して欲しい。
記録誌が待たれる。家内は神戸の地区大会に行っている。
11月21日(木)−23日(金)  ゾーン1、2、3、4A 第36回 ロータリー研究会
晴れ
ゾーン1、2、3、4A 第36回 ロータリー研究会が東京台場のホテル・グランパシフィック・メリディアンにて開催。昨年は岡山だった。21日のRI会長歓迎晩餐会から出席、ホテルからの夜景は絶景である。レインボーブリッジを一望し、先週の横浜港の夜景と同じく東京港の夜景も素晴らしい眺めである。同期のガバナー会に出席し、近況を語り合う。
第1日目 ウィルキンソンRIの基調講演、スコットTRFのR財団に関する挨拶、五百旗頭 真 防衛大学長の「激動の世界と日本」と題した講演が続く、今日は佐原RCの創立50週記念例会であるので中抜けし、JR、京成と乗り継いで 記念例会場の佐原信金本店に入る。登録料もない実に簡素な例会である。当事者にとっては真に勇気ある選択であると思った。
トンボ帰りして夜の会合に出席。横須賀海上自衛隊音楽隊のアトラクションを楽しみ、食事をする。総勢550人ぐらいだ。台湾の上背の大きい頼さんも来ている。1年に1度は会っている。
第3日目8次にはプログラムが進行している。米山記念奨学会、規定審議会、「水・保健・識字」、についての報告やフォーラムと矢継ぎ早である。神奈川県立保健福祉大学 名誉学長 安倍 志郎氏の「人生ー愛し、愛されて」の講演には感銘させられた。続いて「新世代、青少年、教育、世界平和フェロー」発表と質疑応答、オープンフォーラムでようやく閉会となる。16:00に終わる。かなり疲れたが、稔り多い研究会に満足感を抱いて帰る。これも記録誌が待たれる。
11月25日(日)  千葉科学大学ローターアクトクラブ認証状伝達式
晴れ
昨夜、RF野球部の納会に出席し、今日は千葉科学大学ローターアクトクラブ認証状伝達式に銚子へ行く。太平洋の大海原とマリーナーを眼下にする千葉科学大学は素晴らしいロケーションがいいところにある。学生は全国各地から参集しているので、銚子市内に下宿あるいはアパートにて生活している。今回、銚子RC、 銚子東RC、旭RCの提唱にて誕生したクラブである。大学内のクラブで15名のアクターにて出発。1年間に茂原RAC、今千葉科学大学RACと二つの認証状伝達式に立ち会える幸運にめぐり合えた。
千葉科学大学RACの発展を期待する。
11月30日(金)−12月1日(土)
曇り
28日に鴨川にてクラブ奉仕委員会に出席し、CLPに関して議論する。 地区委員会と統一見解を持たなければならない。今になって委員会で議論していることがおかしい。委員会が開催されていないからだ。
現幹事団、事務局と総勢15名で箱根のホテル大和館に泊まり、地区大会の労をねぎらう。温泉に浸り、英気を養う。幹事団はじめスタッフの9ヶ月間の奮闘振りに敬意を表し、感謝する。この絆は永遠であるだろう。
家に帰るや否や柏行きである。前年度ガバナー補佐の集いに参加する。やはり楽しいものだ。それぞれの話を聴くのだが、遠慮会釈ない語らいにロータリーの原形を見た。とうとう柏に泊まる。
11月の終わり

公式訪問が終了すれば時間の余裕が取れると思ったが、とんでもない11月はいろいろな会合、打合わせなどがありホームクラブへの出席もままならない始末。それに各種原稿にも追われ、心身ともに疲労からなかなか抜けない。それでも運動不足を補うために歩行を少しずつ始める。筋肉の衰えは想像以上だ。