[Return] インターアクト部会ご挨拶
インターアクト部会協議会
ご 挨 拶

ガバナーエレクト 白鳥 政孝

 科学文明においては、先人の築いた業績を基にして工夫を凝らし、さらに発展させて次の世代に継承させる術があります。だからこそ科学文明は年々進歩し続けるのです。しかし、心の世界は人から人へと継承させることはできません。人の心はいつもゼロからの出発となります。
 心の世界は、男女の愛、親子の情愛、隣人愛、友情、勇気、寛容、容認、奉仕、価値観、倫理観と、さらに芸術的感性にまで大きく広がっています。だから心の世界は先人から学ぶことができても、それを積み重ねて形作られるような単純なものではありません。自分の体験と実感を一人で積み重ねるしかありません。心の世界はその人の一代限りの知恵といえます。したがって多感な青少年時代の教育、環境、経験が実に大事になります。
 ロータリーが、地域社会や世界に如何に熱心に奉仕しようとも、次世代を担う若者たちに、指導力、道徳、寛容、思いやりの心を養うロータリー精神を、引継いでいかなければ、ロータリーの目的はなかなか達成されません。世界の安寧をもたらそうとするロータリアンの努力は水泡に帰してしまいます。そこでロータリーは、私たちの良き未来を確保するために、伝統的に青少年の育成に力を注いでまいりました。
 1960年5名のロータリアン(アジア、ヨーロッパ、ラテン、アメリカ、ニュージーランド)からなる委員会がロータリー・クラブをモデルにして、14歳から18歳の高校生を対象としたクラブを結成しました。インターアクトは、International Action の合成語であることは周知されていますが、1962年米国フロリダ州メルボーン高校で結成され、インターアクト・クラブは世界中に瞬く間に広がりました。インター・アクト創設40周年の2002年には107カ国7,700のクラブ約20万人の会員にまで発展した団体になっています。
 第2790地区の現況は、それぞれの提唱クラブの下18のインターアクト・クラブが活動しています。しかし残念ながら一部を除いてあまり活動的ではありません。殆ど休部に等しいところもあります。先人の考えの下に提唱されたインターアクト活動が、このような状態ある原因を私たちは謙虚に反省しなければなりません。大きな理由としては

1.ロータリアンと顧問の先生またロータリアンとインター・アクターの間のコミュニケーシ
ョン不足。
2.例会が十分に機能していない。
3.奉仕活動の不足からくるクラブ内の連帯感の希薄化。
4.ロータリアンおよび顧問の先生によるインターアクトの存在価値の認識度の低下。

などが考えられます。幸いにも本年度の地区委員会は対話を大事にしてインター・アクターのために活動することに熱意をもっています。
 地区内では第20回年次大会を大原高校インターアクト・クラブがホストとして開催します。また韓国釜山のインターアクターとの交流も予定しています。日頃の活動を通してインターアクト・クラブが昔日の勢いを取り戻すことを切に願っています。
 提唱クラブの委員会の皆さまには地区委員会および顧問の先生やインター・アクターとは密接な関連を保ちつつ、ロータリーが次世代を託す青少年育成の一助になるという強い使命感を持ち、率先してインターアクトの活性化に努め、地球未来のためにお互いにやりぬこうではありませんか。