[Return] 2008年3月 ガバナー日記
3月1日(土)  2008年度米山奨学生歓送会
 晴れ
 昨日に続き穏やかな小春日和であった。早いもで、もう3月である。昨年は幹事団とは連日侃々諤々と打ち合せをし、地区チーム研修セミナー、PETS、地区協議会の準備をしていた。  
 一方ガバナーであるためにクラブ周年行事やIMや地区委員会への出席、原稿の提出等々にじっくり考える余裕がなく、常に即断を迫られ、時間に追われていた。一人二人役は心身ともに消耗し、加齢による疲労の蓄積が加わり、恐らく周囲に迷惑を掛けていたように思う。
 小池さんを始めとする前年度地区幹事団や月信担当者や今年度の石井幹事長以下の地区幹事団、月信担当者のご支援のお陰で難局を切り抜けられた。私の健康保持のために家内もよく努力してくれていた。後4ヶ月の任期を迎えての実感である。
 米山奨学生歓送会に出席し16人の奨学生に修了証書を手渡す。博士号を獲得した人、そのまま日本に残る人、日本で就職する人、母国に帰る人進路はいろいろだ。優秀な奨学生であり、将来の大成を祈る。世話クラブとカウンセラーとの絆も生まれている。これからこの絆を大切にしていただきたいと願う。
 林学友会会長から聞いたのだが、米山奨学生の修了者が就職するまでの滞在期間が日本では3ヶ月しかないので就職活動に難がある。欧米では最低1年の猶予があるので留学先の国での就職が容易であるという。日本で学んだ優秀な学生が日本から離れることは日本にとって大きな損失だという。森島PGに相談して米山奨学会本部この問題を提起することにした。
3月2日(日)  地区チーム研修セミナー
晴れ
 地区チーム研修セミナーに先立ち地区資金委員会、地区表彰委員会、地区諮問委員会を開いた。諮問委員会では表彰について注意ガあった。ここで思うことがあるので書きとめておくことにした。
イギリスの生物学者ダーウィンが首唱した進化論に「適者生存 (survival of the fittest)」がある。生物の生存競争の結果は強いものが残れるのではなく、周囲の環境にもっとも良く適した(変化に順応する)ものが生存繁栄するという。
 およそ全ての国、団体、会社などの盛衰においても同じことが言える。ロータリーの手続き要覧にある諸規定は3年ごとに見直しされている。地区にはガバナーの逸脱を防ぐために諸規定(内規)が存在しているが、任期は一年という制約から内規の変更には相当なエネルギーを必要とするので柔軟性に欠ける嫌いがる。それを考えると全て内規に縛られて変ることは制約されてくる。規則というものは細かく決めるものではない。当該者の良識と知性ある判断に委ねることだ。その場合議論は大いにすることが条件となるが、最初から規定以外であるからといって議論の余地がないことは一考すべきであると思う。ここでも人の話を聴く耳を持つことが要求されている。
 古代ローマ帝国が栄えた要因の一つに、時の流れに則して法律を制定すると前の法律は自動的に失効し、柔軟に変化に対応していったことが挙げられる。今、アメリカでは民主党の大統領候補選でクリントン、オバマの両氏が鎬を削っている。これも現況からchange(変化)することが大きなポイントになっている。細かく規定して個性を抑えるか、抑えないかには一長一短があるが、変化を促し発展を願うならば変化することに躊躇していてはならない。 
 基本となる理念は不易である。枝葉末節的なことは、基本理念から外れているか、外れていないかをもって判断できるのではないかと思う。これは人によって考えはいろいろあると思うが、自分の周囲を見回して「適者生存」 に適っているかどうかを、今一度クラブや会社において検討してみる必要がある。
 崎山エレクトの最初のセミナーでは、ホストクラブの方々がチームワーク良く活動していた。傍から見て気持ちの良いものだ。崎山さんも始めての行事を終えた安堵感があり、これからますます崎山さんのカラーが出てくるものと期待できる。
 職業奉仕の委員会に所属することになり、次年度の打合せをする。
3月8日(土)  第9回ガバナー補佐会議
 晴れ
 それぞれ分区のIM が報告される。ガバナー補佐の企画に工夫が凝らされていた。昨年はCLPに関することが多かったが、今年は「ロータリーの心」、「ロータリーの魅力」、「ロータリーと地域の関係」、「ロータリーのクラブ運営」であった。基調講演の後、クラブ発表あるいは記念講演、バズセッション等々、その後の懇親会でみな成果を上げていた。私自身6ヶ所のIMに参加し、発表を聴いたり、バズセッションや、懇親会に加わった。殆どがロータリーに魅力を感じ、楽しんでいる。いつも感じることだが、参加していない人からの思いを聞いてみたい。
 記念講演に素晴らしいものがあった。地区大会の記念講演に匹敵するぐらいだ。ロスの国際大会の参加者が少ない。例年と同じく40名弱になりそうだ。最終の会議を6/2にする。AGも私もAG会議が楽しくなってきているようだ。やはり本音で話されているからだと思う。
3月9日(日)  世界ローターアクト週間「健康について」
 晴れ 
 だいぶ春めいてきた。世界ローターアクト週間にちなんで、地区RACの小林代表が誕生から、一年たったばかりの茂原RACに何かイベントを行なうようにしたという。そこで茂原RACは「健康について」をテーマとした事業を考えた。午前中「健康的な生活を送るための食生活を学ぼう」と題して、管理栄養士・健康運動指導士である内田直美さんが「食べて動いて健康づくり」についてのアンケートをとりながらの指導は面白く、日常の食の重要さ、食生活の改善のヒント、基礎代謝の強化など大変参考になる講演であった。午後はストレッチなど体育館での運動を主体としたものであった。
 茂原RACのアクターの心を込めた気配りとイベントの組み方や内容、それにロータ―アクターとロータリアンが一緒に行動することは素晴らしかった。小林代表のリーダーシップ振りも見事であった。
3月14日(金)〜16日(日)  第3670地区(徳島)地区大会
曇り時々小雨
第3670地区(徳島)地区大会参加のため 14:00羽田空港発徳島行きに家内と搭乗。15:45徳島空港に到着。バスにて徳島プリンスホテルに到着。RI会長代理は第3490地区(台湾)藍 松喬PDGであり、RI会長のメッセージなるものは殆ど聞かれない。何故か英語、北京語、日本語で同じことの話であった。同期のガバナー夫妻約30名が集い二次会にて胸襟を開く、お互い公式訪問を終えているせいか元気一杯だ。ホストクラブの徳島プリンスRC吉田会長が自ら阿波踊りの鐘をリズムよく叩いていた。ヨットマンの中川さんもいて話が弾む。

3月15日   晴れ 
9:30 本会議開催だが会長・幹事協議会の間、徳島市を一望できる市内の小高い眉山に登る。 午後本会議にて佐藤千壽先生の「教育という大業」と題した基調講演を聴く。「物資の過剰は精神の貧困を招く」、「子供の教育は家庭にあり」、「人のせいにする風潮から抜けることだ」、「結果平等が子供の教育に災いしている」等々、90歳にして90分間立ったまま話された先生の気迫に驚く。
夜の大懇親会は阿波浄瑠璃の寿式三番叟に始まり、徳島随一の娯茶兵連の阿波踊りが会場練り歩き賑やかであった。囃子連にロータリアンが多く、笛・太鼓を奏していた。阿波踊りや囃子は3歳から習い、学校でも教科にあるそうだ。郷土芸のあるところは素晴らしい。ホテルのトップのバーにて徳島南RCの森本さん(女性)、吉澤さん(川崎稲生RC)海寶さん(千葉西)とパングラデシュのWCSやEメール交換について懇談。

3月16日  晴れ
女性はエクスカーションに行く。大会は9:00点鐘。表彰が続く。一般市民に無料で公開している竹中平蔵氏による記念講演が11:20から始まる。竹中さんの講演には一般市民も興味あるので一般席はほぼ満席だ。会場のアスティとくしまの収容人員は5,000名であるので一般市民に公開することができる。竹中さんは今公人でないので多少の失言は許されるということで歯切れの良い一時間の講演であった。「構造改革は継続しなければならない。日本の環境対策の技術力は世界でトップであるから、その活用を国の外交に活かすことだ。規制緩和を継続し、国立大学を民営化しなければ世界に伍していけない。国民の個人個人が人のせいにするようではいかん。それぞれが自主独立の気概を持たねばならない。」  昨日と今日、 共に有益な講演であった。
他の地区大会に出席すれば、それだけのものを必ず感じさせてくれる。ただ距離が問題となる。世界大会においても分区のIMにおいても機会があれば出席することが望ましい。ロータリーの行事に出席すると何かが得られる。 
3月18日(火)  多古RC夜間例会訪問
 晴れ
 多古RCから卓話を依頼され秋元PGと一緒に多古RCの夜間例会が行なわれる多古町コミュニティプラザに行く。今回、例会は休会予定であったのが急遽夜間例会にして、秋元PGと私が30分ずつ卓話をすることになった。二人の卓話者の例会は珍しい試みだ。町の助役さん、横芝RCから二人、千葉中央から二人、多古RCの出席率は90%であった。 
 ロータリーという一本の線で、知らぬもの同士が瞬時にして10年の知己を得たような関係に入り、お互いの視野を広げ合うことが、自分の人間性の成長に役立っていること体験上から話した。
 秋元さんもロータリーで培った心とマニュアルを地域の商工会議所会頭として活用している体験談を披露していた。素晴らしい卓話であった。みな熱心に聴いており、遣り甲斐があった。
 その後、懇親会に出席した。通常はカラオケに入るそうだが、1,2曲が歌われてそのままだった、殆どロータリー談義に終始し、お互い話題は尽きないようだった。さらに二次会でもロータリー談義が続き、11時になってしまい、秋元さんと多古に宿泊して翌朝かえる。古参ロータリアンの一言、一言が身にしみる。楽しい例会・楽しい懇親会であった。
3月20日(木)  会長エレクト研修セミナー(PETS)
 強い雨
 ア山エレクトの事実上のセミナーである。思えば昨年のPETSはあたふたしていた。二役をこなし、会計のシステムを変更してエレクト事務所の会計、地区大会の会計を事実に沿って明明白白にするシステムにしたことも相まって、地区資金委員会、諮問委員会では激論が沸騰していた。感慨深いものがある。
 挨拶では主に一般世間の考えをロータリーに持ち込んでしまうと、ロータリアンが高い会費を出して暇をつぶして例会に出ても、個人にとって、会社にとって、家族において何の意味があるのか。意味有らしめるためにもロータリーの思想・理念をしっかり学ぶ必要があり、「ロータリーの例会は人生の道場である」言葉を今一度かみ締めようではないか。それにはロ−タリーの歴史をクラブ内で学ぶことが効果的な方法であることを話した。
 ア山エレクトはパワーポイントを使用しての現況のロータリーの説明をして次年度の方針を発表していた。その後の各カウンセラーによる委員会のスピーチがあったのだが、持ち時間7分を倍以上オーバーする方があり、全く周囲への気配りがないことに閉口した。内容が伴えばそれなりの時間を割いても良いと思うのだが、残念ながらそれもない。ガバナーとして看過できないことが起こりつつある。このPETSだけではない。IMにおいても会議全てにおいて物議を醸しだしている。残り3ヶ月平穏無事であればと願っていたのだが、そうならないようだ。思案の種だ。
3月21日(金)  勝浦RC卓話
 雨 強風
 勝浦RCは間もなく45周年を迎える準備に関係者は最後の詰めをおこなっていた。津留さんが同行して車の運手をしてくれて有難かった。勝浦RCに来るときはなぜか荒天である。今日も強風がつのり、荒れていた。
 津留さんがロータリーの友委員としての見事なショートスピーチをした後、鈴木覚三郎さんから昨年の二度目のガバナー就任の裏話でよいからということで卓話を要請されて勝浦へ来たのだが、演題を問われ咄嗟に「ロータリーからの恵み」と答えてしまった。私自身の体験したロータリーからの恩恵をいろいろな角度から話した。帰りがけに塩田先生からガバナーらしい話を久しぶりに聞いたといわれ嬉しかった。先輩の心ある一言は何より優る教育であることをしみじみ感じた。
3月22日(土)  Caro Gran Sport RC 2008 ウエルカムパーティ
 晴れ
 数日荒れていた天候から一転して今日は好天である。休む間がないのでへばり気味だ。IMが過ぎれば少し楽になるとの思いは見事に裏切られた。
第2750地区城南RCが発案して開催されてきた第5回目のクラッシクカー(1972年以前の車)チャリティラリー第一日目である。第1回目から「ポリオプラス撲滅運動基金」、「三宅島復興支援」、「ハリケーン“カトリーナ”災害救援支援」(二年連続)のチャリティを行なっている。当初は大変苦労されたが今やっと軌道に乗ったという。夢はアメリカのハイウエイ ルート66を疾走することだそうだ。遠大な夢を持っている。
 Caro Gran Sport RCの名前は、ロータリーの冠名をつけるためには韓国とフィリピンのロータリーと合同事業としなければならないというRIからの達しである。実際は城南RCが実施しているプログラムだ。一日目のラリーの後、成田ヒルトンホテルに120台のクラッシックカーが集まった。どの車も見事に整備されてピカピカに磨かれている。パーティはブラックタイ着用であった。2750地区ガバナーご夫妻、市川PDGご夫妻、韓国3650地区ガバナー、フィリピン3830地区PDGも出席している。ラリーに参加の堺正章さんや司葉子さんと同席、堺さんの軽妙洒脱な話術にに感心する。総勢400人ぐらいのウエルカムパーティであった。
 ラリーを応援している銚子、旭、八日市場RCの面々も出席しており、主催者から協力の感謝状を授与された。抽選会ではスポンサーの豪華商品の抽選があった。中でもブライトリング社の腕時計は200万円相当のものだ。収益金は相当な額になる。今年はミクロネシア島のチューク飲料水支援事業に使うそうだ。太陽光を利用して海水から一基8リットルの真水を作る器具である。1人1日あたりの真水の使用量は1.5リットルなので6人分の真水を供給することができる。一基4万円でできる器具だ。
 翌日は八日市場、旭、銚子と通過してお台場の富士TV前に帰ることになっているが、沿道には沢山の人が出て応援と野菜・ピーナツ・イチゴ・八日市場米などを差し入れていたそうだ。多くのロータリアンが応援し、手伝っていたとのことだ。ロータリーらしいプロジェクトであると思う。
3月22日 写真のみ

3月27日(木)〜28(金)  第2750地区(東京西部)地区大会
 晴れ  
 グランドプリンスホテル高輪の庭園の桜はタイミングよく満開だ。ライトアップされた桜の美しさは見事だ。第2750地区大会のRI 会長代理歓迎晩餐会に出席。ガバナー会の議長を務める坂本ガバナーの地区大会だけに同期のガバナーが多く出席。前年度のガバナーも6名出席していた。二次会ではさながら同期会そのもの、近況を語り合う中に、第2720地区(熊本、大分)の次のガバナーが決まっていない事から、話題はもっぱら2720地区のことになる。決まらない理由と今後の話が主になる。5月に地区大会が行われるので、その時には継続か、他の人となる訳だが、前者に落ち着くのかもしれない。ガバナーの心境を察する。心ない人の言動のためにどれほどの人が迷惑するかである。
 ロータリーでは支え、支えられることを日頃訓練している筈なのに何故できないのだろうか。しかもガバナー経験者であるのにと思う。人のための捨石になるという気は毛頭ないようだ。これは当地区でもないわけでもない。年齢と共に無欲になり、諦観するようになりたいものだ。世の中たった一人か、数人のために秩序が乱れることがよくある。寛容でない人に寛容であれということではないと思う。言うべきことをいう姿勢がないと不寛容な人の言動に蹂躙されてしまう。よくある例だが、ボスを作らず、ボスになることを慎み、一人ひとりの立場を尊重しあうことがFAIR(公平・公正)であると思う。ちなみにFAIRという言葉は「美しい」が原義である。美しいことは善である。皆にとって美しいものは皆にFAIRであることだ。だからロータリークラブにボスの存在は不要だ。真のリーダーシップを持った人が必要である。両者の違いをじっくり考えて見たい。
 藤川さん、関場さん、板橋さん皆さんお元気であった。ゆっくり話ができず、松丸二三男氏の葬儀に参列するために昼食後帰ることになった。石原慎太郎都知事の記念講演を断念せざるを得なかった。
3月29日(土)  市原中央高等学校インターアクトクラブ認証状伝達式
 晴れ
 市原中央高等学校インターアクトクラブ認証状伝達式が同校で行なわれた。市原ロータリークラブがスポンサーだ。ちくでは18のインターアクトクラブで会員数約200名になる。真板校長に始めてお会いするが、きさくな方だった。「真心」を校風にしている。市原中央高校インターアクトクラブの会長である中島 遙さんの挨拶は秀逸であった。真板校長もその素晴らしさを褒め称えていた。
素晴らしいIAになるに違いない。今後の動向に注目したい。
三月の終わり
 今月も地区チーム研修セミナー、PETS、諮問委員会、ガバナー補佐会議、クラブ訪問、他の地区大会参加、地区幹事会、RACの行事等々忙しく過ぎてしまった。IMが終われば日程が楽になると思っていたが公式訪問時と全く変わらない。しかし気持ちの上ではゆとりが出てきた。友達と3年半ぶりにゴルフをした。思っていたより良かったのだが小技が全く駄目になっていた。