ガバナー就任にあたって

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国際ロータリー第2790地区
ガバナー 中村 博亘(柏西RC)
(なかむら ひろのぶ)

 国際ロータリー第2790地区、会員の皆様、このたび2009-10年度ガバナーに就任いたしました柏西ロータリー・クラブの中村でございます。2007年10月に皆様方にご指名を頂いて以来、1年半、大任を果たせるかどうか迷いながら過ごしてきたガバナー研修の期間でしたが、いよいよスタートの時がまいりました。浅学非才ではありますが皆様のご協力を頂き、任期を全うしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 今、世界は未曽有の金融危機にみまわれ、従来の慣習に捉われない新しい発想を求められる変革の時代に入りました。我々のロータリーも新しい世紀を迎え、変革を求められております。

 ロータリーの創設者、ポール・ハリスは、「この世界は常に変遷する。われわれは変遷する世界と共に変遷する用意がなければならない。ロータリーの物語は、幾度も幾度も書き変えられなければならないであろう。」と述べておられます。

 私は地区テーマに"恕""Change & Create"( 変革し、創造しよう)を掲げました。前者は孔子が弟子の子貢に、人生で最も大切な心がけを尋ねられ、答えた言葉です。何事も常に相手の立場になって行う、想いやりの心が大切ということです。これは正にロータリーの心です。ロータリーは過去一世紀、「超我の奉仕」の標語の下、「奉仕の理想」を求めて、邁進してまいりました。草創期のロータリーは、シェルドンの最初の標語「He profits most Who serves his fellow best.」にもあるように、友人間の相互扶助から始まりました。1910年代の激しい論争をへて、1923年の決議「23-34」によって、職業奉仕を礎石としたロータリーの実践哲学が形成されました。第二次世界大戦後のロータリーは、大きく発展します。その奉仕の方向も、ロータリー財団の法人化に伴い地域社会から世界へと広がりました。1947年に始まった教育的プログラム(国際親善奨学生の制度)、1965年からは人道的なプログラムと急速に拡大の一途をたどりました。クラブ中心の奉仕から地区へ、そしてRI主導の奉仕活動へとその方向性は変わってまいりましたが、「超我の奉仕」の心は変わっておりません。我々ロータリアン一人一人の「善意」は、それを必要とする世界中の人々にShare(分け与え)され、又、その方々の喜びと感謝の気持ちが、我々の心にProfitとして帰ってまいります。最近、ロータリーの「I serve」に疑問を投げかける人がいますが、このShareする心が「I serve」と私は考えております。

 2009-10年度RI会長ジョン・ケニー氏は、「私たち一人ひとりは、いわば過去を未来につなぐ鎖の輪のような存在で、大いなるロータリーという伝統の一部を成しているとたとえることができます。よきロータリアンとなるには、昨日より今日のほうが多くの努力を伴います。そして、今日より明日のほうがもっと多くの努力を求められるでしょう。ロータリーの未来はエバンストンにあるRI本部で形づくられるのではなく、個々のロータリー・クラブによって形成されるのです。強いロータリーを守り抜くために行うことが、ロータリアンとして、私たち一人ひとりのためになります。みんなのためにロータリーの針路を決めるのは、私たち自身の日頃の行動であり決定です。」

 「ロータリーの未来はあなたの手の中に」"The Future of Rotary is in Your Hands"
を本年度のテーマとして示されました。又、RIの長期計画として次ぎの7つの優先項目を挙げられました。

・「ポリオを撲滅する」
・「ロータリーに対する内外の認識と公共イメージを高める」
・「他者に奉仕するロータリーの能力の増大をはかる」
・「質的にも量的にも会員組織を世界に拡大する」
・「ロータリー独特の職業奉仕への取り組みを強調する」
・「国際ロータリー内の指導的才能を最大限に活用し、育成する」
・「組織全体を通じて継続性と一貫性を保つために、長期計画の手順を完全に実施する」

私は、本年度の地区目標を次のように決定いたしました。
@ 「ポリオ撲滅」のための募金活動
ポリオ撲滅はロータリーの最大目標です。1985年以来、ロータリーはWHO、ユニセフ、CDCと共にこの問題に取り組んでまいりました。当初は毎年30万人余の子供達が罹患していた疾病も、最近では1,000名前後まで減少してきました。ポリオ撲滅は目前です。ただ現在残存する地区は、紛争地帯であり、貧困地帯でもあります。ポリオ・ワクチンの投与には困難をきわめます。ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、前回の1億ドルの寄付に加えて、新たに2億5,500万ドルの寄付を申し出ました。これに対応してロータリーは、従来の1億ドルに加えて、さらに1億ドルの寄付を約束しました。これは1クラブ毎年2,000米ドルを2012年6月まで寄付することになります。
一人あたり年間約5,000円(現在のレート)です。「END POLIO NOW」今こそポリオ撲滅のときです。皆様のご協力をお願いします。
A 会員増強、各クラブ純増1名
各クラブ、会員純増1名をお願いいたします。退会防止に力を入れてください。退会者の多くは入会3年未満の方です。新入会員の教育を十分に行い、ロータリーの楽しさ、面白さを教えることが大切です。RIは最低80パーセントの会員維持率を要望しています。
B 水、保健と飢餓、識字率向上を目的とした世界社会奉仕
現在12億人が安全な水を利用することができず、26億人もが基本的な衛生設備のない環境で暮らしています。安全な水がないために毎日8千人の人が亡くなっています。下痢性疾患、腸内寄生虫、コレラ、赤痢のために命を落とす5歳未満の子供達は、1時間に2百人にものぼり、6百万人がトラコーマによって失明しています。又、地球上には読み書きの出来ない人々が8億人もいます。そのうちの3分の2は女性で、4分の3の人々は発展途上国に住んでいます。教育の機会なしに、これらの人々が貧困から抜け出すことはできません。
C 「Every Rotarian Every Year $100」寄付率100%達成
ロータリー財団の人道的プログラムは、世界中のこれを必要とする人々に多くの恩恵を与えています。最近、急速にマッチング・グラント、地区補助金などの人道的プログラムの要請が増えており、国際活動基金(WF)の資金が不足しております。「毎年あなたも100ドルを」の寄付にご協力下さい。
D 職業倫理の高揚
職業奉仕はロータリー特有の奉仕活動です。ロータリーで培われた「超我の奉仕」の心を、各自の職業を通して、社会に貢献していくことがロータリーの目的の一つです。その為には、各自は事業者として、又、専門職としての高い倫理感を持つよう常に努力すべきと思います。

 1920年代後半に確立し、約80年続いてまいりました四大奉仕委員会(クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕)も、2004年のRI理事会で承認をうけたクラブ・リーダーシップ・プラン(CLP)の導入により、四大奉仕部門という位置付けに変わり、新しく五常任委員会が新設されました。しかしこれは四大奉仕が無くなったわけではありません。

 四大奉仕の精神は、ロータリーの綱領の中に記載されている通りですし、又、この奉仕の理念を新しい五常任委員会に生かしていかなければなりません。CLPはロータリーの長期計画を達成させるために必要な「効果的なクラブ」を作るためのBest Practice(最善の実践方法)であり推奨すべきクラブの管理運営機構です。

 CLPの導入にあたっては多くのクラブでご苦心されていることと思います。しかしこれはRIが年月をかけて計画してきたクラブの管理運営機構であり、2004年のRI理事会の承認以降世界の多くの地区が採用している機構です。いつまでも避けて通るわけにはいきません。世界の仲間と同じプログラムで、共に奉仕の理想に邁進すべきだと考え、全てのクラブに導入をお願いしたしだいです。
ロータリーは本来ロータリアン一人一人の奉仕の理念に支へられているものです。貴方自身が主役です。ロータリーの歴史は我々一人一人が創っていかなくてはなりません。私は皆様と共に、新しいロータリーの歴史の一頁を創り出すために努力する所存です。
本年度を悔いのない、輝かしい年度にしようではありませんか。よろしくお願いいたします。

 

中村 博亘 (柏西RC)
生年月日  1936年(昭和11年)2月19日 本籍:長崎県
職業分類  歯科医師
学歴    1960年 日本歯科大学卒業
       1966年 歯学博士 授与される
職歴    1960年 日本歯科大学病理学教室助手
       1962年 日本女子衛生短期大学兼任講師 
       1965年 日本歯科大学病理学教室講師
       1967年 中村歯科医院院長(柏市)
       1981年 北原歯科衛生専門学校講師
公職歴
       千葉県歯科医師会理事  8年
       柏歯科医師会副会長   6年
       千葉県歯科医師政治連盟副会長  7 年
       千葉県社会保険審査委員     14年
       千葉県国民健康保険審査委員    2年
       柏市商店会連合会理事       6年
ロータリー歴
       1975 年 柏西ロータリー・クラブ入会(創立会員)
       1988~89年 クラブ会長
       1990~98年 地区ローターアクト委員会委員
       1993~94年 地区ローターアクト委員長
       1991~92年 日豪文化交流使節団団長
       1995~96年 日豪文化交流使節団団長
       2000~01年 第10分区代理
       2001~07年 地区ロータリー財団委員会委員
       2005~06年 地区ロータリー財団委員長
       2007~08年 ガバナー・ノミニー
       2008~09年 ガバナー・エレクト
       ポールハリス・フェロー
       マルチプル・ポールハリス・フェロー
       ベネファクター
       米山功労者 

 

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