本文へスキップ

ガバナーメッセージ

ガバナー 青木 貞雄  地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2018年4月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

第4クォーターに向けて

 ガバナーを拝命してから、早いもので9ケ月が経過致しました。残す任期は3ケ月、いよいよ最終コーナーを回った辺りでありましょうか。私の第4クォーターにおける主たる任務は、戦略計画委員会による幾つかの改変であると認識しております。
 公式訪問の卓話で申し上げたように、私のガバナーとしての最も重要なミッションは、戦略計画委員会を恒常的に機能させることだと考えております。決議23-34の第4項に記載されている通り、ロータリーの行う奉仕プロジェクトは単年度にて完結するものが好ましいとされておりました。しかし近年のRIは、奉仕プロジェクトにおいては持続可能性を、リーダーシップにおいては継続性を重視し、地区やクラブに対しては戦略計画の立案を推奨しております。単に不連続な事業の羅列に終始せず、計画性を伴った効果的な事業の遂行を期待されているものと思います。
 公式訪問において夫々のクラブとのディスカッションを重ねると、幾つもの貴重なご意見やご要望を伺う事がございました。しかし、折角に頂いたご助言であるにもかかわらず、中々にそれを反映する方法は限定される。地区の在り方についてのご助言をいただいても、私のガバナー年度においてそれを反映する術は最早なく、それを次年度に引き継ぐ機会も限定される。ご意見を拝聴しながらも、幾分歯がゆい思いを感じました。
 私の考える地区の戦略計画委員会は、何人かの直近のパストガバナーと、現ガバナー・ガバナーエレクト・ガバナーノミニー・ガバナーノミニーデジグネイトによって構成される委員会と致しました。地区が改善すべき課題と、地区が目指すべきビジョンを共有し、適切な継続性を担保する。地区において、単年度では意味をなさない事業計画や、一年では合議に達する事が難しい改変等を協議する場と致します。前述したクラブからの要望も、戦略計画委員会が常態化すれば、次年度・次々年度と申し送り引き継ぐことが出来る。戦略計画委員会の存在意義は、極めて大きいものと思われます。
 只今の戦略計画委員会では、地区の規約改定や地区事務所の開設・分区の再編等を検討しておりますが、それらの多くは一年で成就するものではありません。メリットとデメリットが併存し賛否両論ある命題なればこそ、情報を集めて課題を整理し、得失を明らかにして合意を形成する。そのような過程を踏まえる事が必要とされましょう。
 取り分け分区の再編は、幾つもの心理的ハードルを越えねばならず、その必要性についての合意にはより多くの時間を要するものと思われます。今年度において完結すべきは、地区規約の改定でありましょうか。一歩でも確実に歩を進める。第4クォーターも、手綱を緩めず前進しようと考えております。


2018年03月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2018年3月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

三大セミナーに向けて

 今月から来月にかけて、橋岡ガバナー年度に向けた三大セミナー、即ちチーム研修セミナー・会長エレクト研修セミナー(PETS)・地区研修協議会が開催されます。地区の指導者チームに始まり、次年度クラブ会長から各クラブリーダーチームへと、橋岡ガバナー年度におけるRIテーマと2790地区運営方針が公表され、共有される。いよいよ、橋岡ガバナーと2018-19年度が始動する事となります。
 一昨年の今頃、やはり2月に開催された櫻木ガバナー主催による地区大会。その2015-16年度の地区大会が終わった余韻が冷めやらぬ内、青木年度に向けた三大セミナーが開催されました。当時ガバナーノミニーとして傍らで見ていた私には、はっきりと青木年度の胎動が感じられ、流れていた空気がまた一新された実感がありました。新しいガバナーがゆっくりと立ち上がり、来るべき新年度に向けて一歩を踏み出す。そんな映像を見る思いでありました。
 ガバナーエレクトの活動は、エレクトに就任した7月から始まります。先ずは自らご助言を頂く研修リーダーを定めて就任のお願いを申し上げ、次いで前年度までの地区組織図の変遷を勘案しつつ、自らの意志を込めた組織図を作成する。それが、秋頃までの最初の任務となります。
 次いで、その組織図に従って地区委員長・委員の人選を行い、然るべき方々に就任のお願いを申し上げると共に、合わせて地区予算を編成する。それが、年末から翌年の年初までの任務となります。
 更には、1月にサンディエゴで開催される国際協議会に参加し、ガバナーとなる為のレクチャーを受けつつ、RI会長によるテーマの提示を受けると共に、そのテーマの意図するところを理解する。そして、RI会長テーマを踏まえた上での自らの地区運営方針を決定し公表する。それが、3月初旬までの任務となります。
 ガバナーエレクトにとって、どの工程も初めて取り組む課題であって、全てが手探りの作業となります。過去の事例を紐解きながら、自らの意図を盛り込んでいく。自らの考案する運営方針が果たして有意な運営方針と言えるのか、考えては成文化し、文章を読み直しては考えを改める。まさに試行錯誤を繰り返しながらの自問自答を続けます。恐らくは、ガバナーを拝命した者全員が、この様な過程を経験しているものと思います。
 さて、橋岡ガバナーはどの様な運営方針を考え、どの様にリーダーシップを発揮されるのか。間もなく公表される橋岡ガバナーのご意向を、楽しみに拝聴させて頂きたいと考えております。


2018年02月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2018年2月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

地区大会に向けて

 来る2月24日と25日、2790地区の地区大会が開催されます。
 当地区には、RI会長代理として松宮剛先生が派遣されます。松宮先生は、茅ヶ崎湘南ロータリークラブの会員で、2004-05年・第2780地区のガバナーを務められました。2012-14年には第2ゾーンからRI理事となられ、現在までに全国RYLA研究会委員や公益財団法人ロータリー日本財団評議員などを歴任されております。茅ヶ崎交響楽団には設立時から参加されてチェロ・パートを務められ、また、ワインを愛飲されるなど、心豊かなご趣味もお持ちでいらっしゃいます。今回のRI会長代理をお努め頂くのに先立ち、2790地区内の3つのクラブ例会に参加したい旨と、地区内で行われる奉仕プロジェクトの見学をしたい旨の要望を頂き、千葉RC・成田RC・館山RC・勝浦RCをご見学頂きました。単に、事務的にRI会長代理をお努め頂くに留まらず、誠実に対応されようとする姿勢に、私は深く感銘した次第です。嘗てお話しされたご講演では、?一業種一会員制の持つ功罪、②出席してこそ得られるもの、③個人奉仕という幻想、④単年度制が生かせなかった歴史、⑤平等は本当に担保されていたのかなどを命題とし、ロータリーで実しやかに語られる既成概念を掘り起こし、別の視点からの考察を提示されております。今回の地区大会においても、約45分間に渡るご講演をお願いしてございます。平易な言葉で語られるニュートラルな視点から、新たなロータリー観をご提示いただけるものと思います。皆様には、楽しみにして頂きたく、お願い申し上げます。
 一方、地区大会記念講演は、小宮山宏先生にお願いしてございます。小宮山先生は、第28代東京大学総長で、現在は三菱総合研究所理事長でいらっしゃいます。日本を代表する知識人のお一人でございます。小宮山先生は、日本を称して課題先進国と呼び、日本は課題解決先進国として世界のモデル足り得ると主張されております。即ち、只今の日本は人口問題をはじめ数々の大きな課題に直面している。しかしそれらの課題は、偶々日本が世界に先駆けて直面しているに過ぎず、いずれ世界が日本と同様の課題に直面する事となる。ならば、世界に先駆けて日本がそれら課題を克服できたなら、それは日本モデルとして世界の手本となるであろうとする主張です。例えば、文明維持の為には地球環境を維持しつつ、物質的基盤を確保しなければならない。結局、エネルギー消費の削減と経済成長の両立という困難な課題に対峙することになる。実は課題先進国である日本は、こうした人類の課題を既に経験し、解決が可能である事を事実によって示している。それらの事実を、日本のGDPやエネルギー消費・電力消費量など膨大なデーターを分析しつつ、平易に解説されております。皆様には、壮大なスケールで語られる知の結集をお楽しみ頂ければ幸いでございます。


2018年01月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2018年1月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

職業奉仕月間によせて

 皆様、あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。早いもので、ガバナーを拝命して半年が過ぎました。公式訪問を終え、改めて素晴らしい機会を頂いたことに感謝をしている処でございます。今月は職業奉仕月間であります。私はかねてより、職業こそが最大の社会貢献であると考えております。今月はそんなお話を記します。
 今から数年前の事です。私がスポンサーをした新入会員の一人が、「職業奉仕」という言葉が全く理解できない。そんな疑問を投げかけて来た事がありました。私は、彼が何故理解できないのか、その理由を私なりに推察してみました。恐らく彼は、「職業」とは生活の糧を得る為の行為であるが故に利己的な意味合いを持った言葉として理解をし、一方、「奉仕」とは無償の奉仕という言葉が使われるように利他的な意味合いを持った言葉として理解をしている。つまり、「職業奉仕」という言葉には、利己的な概念と利他的な概念が併記されている処に、理解を妨げる原因があったのではないかと思い当たりました。
 この事に関して、英語で言う「Service」を「奉仕」と訳した事が原因であるとする説明を間々耳に致します。私は、その説明にも同意いたします。しかしもう一つ。恣意的に申し上げるなら、「職業」という言葉を利己的な概念ではなく、職業とは極めて利他的な行為であると看破した事に、ロータリーの素晴らしさがある。私はそう考えております。
 それでは職業とは何か。私は「職業とは、対価を伴ってもなお必要とされる財、あるいはサービスの提供である」と考えております。対価を伴う行為、即ち有償の行為は、対価を伴わない行為、即ち無償の行為に比べ、より社会のニーズに的確に対応した遥かにクオリティーの高いサービスを要求されます。タダで差し上げますと言えば、大抵の商品は貰ってもらえましょうが、1万円でお譲りしますと言えば、俄然、消費者の目は厳しくなる。言うまでもない事であります。
 少し視点を変えます。ゴミゼロ運動とは、社会奉仕活動でありましょうか。私は厳密にいえば、ゴミゼロ運動は社会教育事業であると考えます。年に一度だけ、職業人が自らの職業を休止してゴミを拾う。この行為の本質は、自らの暮らす街を綺麗に保とうとするモーチベーションを高める事にある。一日だけ街を掃除するという行為に、清掃という観点から見た本質的な意義は、乏しいものと思います。
 それでは、本質的に街を清掃するという任務を負うべき主体は、誰であるのか。それは、誰よりも誠実に、誰よりも合理的に、誰よりもコスト・パフォーマンスが高く、街を清掃できる指定管理者、即ちプロフェッショナリズムに満ちた職業人である。私が職業こそが最大の社会貢献であると考える所以であります。


2017年12月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年12月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

継続と革新

 ガバナーを拝命するに当たり、地区運営に関する基本的な考え方として、三つの観点からの考察を試みました。その内の①理念と実践については月信10月号で、②事業と運営につては11月号で記させて頂きました。今月は、③継続と革新について記させて頂きます。
 決議23-34の4)、「奉仕するものは行動しなければならない」から始まる条文には、「いずれのロータリークラブも、毎年度、何か一つの主だった社会奉仕活動を、それも毎年度異なっていて、できればその会計年度内に完了できるようなものを、後援する事が望ましい」と記されております。即ち、単年度主義が明確に打ち出されております。RI会長、地区ガバナー、クラブ会長、全ての任期が一年である以上、この単年度主義は合理的習慣であったと思われます。また5)には、「いかなるクラブも、ロータリーの目的を無視したり、ロータリークラブ結成の本来の目的を危うくするような社会奉仕活動を行ってはならない」と記されております。この文章のみならず、決議23-34の全文に散りばめられた精神は、ロータリーを志す人間の謙虚な姿勢を明確にし、職業人として取り組むべきは自らのスキルを活かした職業倫理の実践であるべきで、金銭的身体的な奉仕活動はアマチュアリズムの限界を正しく認識して取り組むべきである。そのような、この上なく良質な節度を感じます。いずれの機会に記そうと思いますが、私は、職業こそが最高の社会貢献であると考えております故、この決議23-34の精神には、深く感銘し共感を覚えます。恐らくは、日本のロータリアンが薫陶を受け、今なお敬愛するロータリーとは、このような存在であったのだと思われます。
 しかしながら、近年のRIの目指す方向性は、陰徳の美から陽徳の団体への変質を求め、戦略計画委員会の設置が推奨され、あるいはロータリー財団委員長の任期が3年になるなど、事業の継続性が推奨され始めております。実際、ポリオプラスに代表されるロータリー財団の行う各種事業は、単年度では全く意味をなさない壮大な事業であり、まさに継続は力なりを体現するプロフェッショナリズムに満ちた奉仕活動であります。月信7月号に記載した現RI会長テーマも、ロータリーの行う奉仕活動は、受益者の境遇や人生に変化をもたらす結果を伴うものとすべきとの願いが込められているものと理解します。イアンH.S.ライズリーRI会長は、本年1月に開催された国際協議会においても、繰り返し「持続可能性と継続」について口述されておりました。私は、「持続可能性」とは自律的に継続可能となる事業の質についての論説であり、「継続」とは事業の効果を高めるためのリーダーシップの継続を意味しているものと理解致します。いずれにせよ、RIは従来の単年度主義を超えた、より責任を伴う奉仕プロジェクトを要求しているものと感じますが、如何でありましょうか。


2017年11月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年11月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

 ガバナーを拝命するに当たり、私は地区運営に関する基本的な考え方として、①理念と実践、②事業と運営、③継続と革新の三つの観点を提示いたしました。先月号では、①理念と実践についての私見を記しましたので、今日は②事業と運営について、記させて頂きます。
 平成20年から5年間に渡って行われた「公益法人の抜本的改革」によれば、公益財団法人や公益社団法人といった公益法人に認定される基準として、実施する個々の事業に対しては「収支相償」という概念が、財務諸表全体に対しては「公益目的事業比率」という概念が提示されました。
 収支相償とは、個々の事業を実施するに当たり事業から得られた収入と、事業を実施するに要した費用の比較で、公益事業と認定されるには、収入が支出を上回ってはならない事とされます。端的に申せば、公益事業は赤字で行われなければならないという事です。ロータリーの行う事業は、殆どが無償の行為によって提供される訳ですから、少なくとも収支相償については全く問題なく認められることになります。
 一方の公益目的事業比率ですが、これをクリアーする事は、中々ハードルが高くなります。そもそも公益事業の定義として、不特定かつ多数の福祉の向上に役立つ事業であるとされます。ですから、例えばロータリーの行う親睦事業。この受益者は会員自身という事となり、不特定多数ではありません。従って、共益的な事業として認知され、公益事業としては認められない事となります。ロータリーの行う社会奉仕や国際奉仕、青少年奉仕に掛かる費用のみが、公益事業費として認定されることになります。但し、一つ例外的な計算が許され、それはボランティアで参加した人員の人件費は、社会通念上常識的に判断される最低限の費用が掛かったものと見做してよいとされます。例えば、ある事業を実施するに当たり、ロータリアンが20人で5時間奉仕したとすれば、時給1000円×5時間×20人で、総額10万円の費用が掛かったものと見做してよい事になります。そのように計算した公益事業費が、年間を通した総額で、その法人の経常的支出の50%を超えている事。公益法人の認定を受けるには、この要件を満たさなければなりません。
 勿論、ロータリークラブは法人化されていない任意団体ですし、公益性の認定を目指している訳ではありません。そもそも会員間の親睦も、極めて重要な事業の柱の一つですから、公益目的事業比率を50%以上にすべき蓋然性はありません。しかし、RIが世界有数のボランティア団体を目指しているのであれば、私達の支出する会費の使われ方が、幾許かでも公益的に使われる比率を高める。そんな意識は大切であると思います。地区運営においても、公益目的事業比率を意識する。私はそんな思いを大切にしております。


2017年10月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年10月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

 ガバナーを拝命するに当たり、三大セミナーに向けて編纂いたしました冊子に、「2017-18年度地区運営方針」なる拙文を記しました。その文中、私は、地区運営に関する基本的な考え方として、①理念と実践、②事業と運営、③継続と革新の三つの観点からの考察を試みました。今月は、その内から、理念と実践についての私見を申し上げます。
 かの決議23-34が採択される前夜は、職業倫理を重視し団体としての奉仕活動に対しては隠匿の美を是とする理念派と、金銭的奉仕や身体的奉仕といった具体的かつ実践的奉仕活動を是とする実践派が、その対立を深めていたと聞き及びます。ポール・ハリスによるロータリークラブの設立が1905年でありますので、設立から僅か18年目の出来事です。加えて、メルビン・ジョーンズによるライオンズクラブの設立が1917年でありますから、ロータリーは創立後の間もない頃から、この二つのスタンスの間に介在するジレンマと対峙していたのだと言えましょう。
 只今のRIは、世界有数のボランティア団体を目指し、DLPやCLPの導入を推奨しております。しかしその方向性に対しては、ロータリーの根幹を成すべき職業倫理を軽んじているとの批判を間々耳に致します。他方、実践派からは、理念にのみ拘泥されるスタンスは、もはや世界の潮流に逆行し、頑なな姿勢はロータリーの衰退に繋がるとの批判もあるようです。
 2016年に行われた規定審議会による改変も、批判の対象として意識されております。2002-03年度RI会長であったビチャイ・ラタクル氏は、2016年4月に2830地区で行われた記念講演において、会員資格や出席に関する改変を例示した上で、「ロータリーは今や存続か否かの岐路にある」とまで言及し、危機感をあらわにしております(Back to Basics, 山崎淳一監修、2016年4月23日発行、参照)。しかし一方では、2016-17年RI会長であったジョン・ジャーム氏は、規定審議会による改変は、クラブの運営方法に柔軟性を認めたものであり、ロータリーの目的(綱領)や中核的価値観は一切変わっておらず、ロータリーの本質には全くの変質はないと述べております(2016年12月名古屋での情報研究会講演)。
 これら、見解やスタンスの相違をどう咀嚼し、どう解釈したら良いのか。結論から申すなら、私はこの事自体が、ロータリーの健全さを端的に示す証左であると考えます。いずれのスタンスも、共にロータリーに対する真摯の結果であり、健全な自己批判の表出である。更に私見を加えるなら、この二者は決して択一でなく共存できる。理念を掲げ、実践を示すことは、ロータリーを有意義ならしめる事こそあれ、名誉を損なうものではない。理念は実践を否定せず、実践は理念を否定しない。私は、そのように考えます。


2017年09月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年9月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

人口動態から考える戦略計画の必要性

 只今の日本の総人口が、既に減少を始めている事は、皆様ご承知の通りです。問題は、総人口の減少のみならず、それを上回る速度で進む生産年齢人口の減少と、高齢者人口の増加でありましょう。
 今年、いわゆる団塊世代の第一世代、昭和22年生まれの方々が、満70歳となられます。当然、今から5年後以降、団塊世代が次々と後期高齢者に達齢する事になります。ここ暫く、高齢者が思いがけない運転ミスを犯し、交通事故を起こしたとの報道を耳に致します。後期高齢者の増加した社会を維持するコストとは、どれ程になるのでありましょうか。
 一方で、介護の現場では、決定的な人手不足が生じているとの事であります。少ない生産年齢人口で、誰が社会を支えるのか。近い将来、更に本格化する高齢化問題は、解決の方法があるのでありましょうか。
 歪んだ人口動態に起因する諸問題は、恐らく今後、相当に長期化せざるを得ないでありましょう。只今の世代別の人口分布を見れば、70歳を目前に控えた団塊世代が、ひときわ大きく突出している。その次のピークは、只今40歳前後の世代、いわゆる団塊ジュニアです。団塊・団塊ジュニアに続く第三のピークは、存在しておりません。即ち、団塊ジュニアが死ぬまで、この歪んだ人口分布が解消する事はない。つまり、解消までに40年近い歳月が必要であることになります。
 生産年齢人口を、非生産年齢人口で除した数字が2を超えている状態を、人口ボーナスと呼ぶそうです。かつての日本の高度経済成長期が、まさに人口ボーナス期でありました。「成長は全てを覆い隠す」という格言があります。確かに高度経済成長期は、殆どの投資が肯定されて時代でした。しかし、只今のような人口オーナス、ダウンサイジングの時代には、問題を放置すれば傷口は更に広がる。即ち、時間が解決してくれない時代であると言えましょう。ロータリーも、例外ではありません。不作為は衰退を意味します。RIが推奨するように、単年度主義に捉われない、戦略計画が必要となる時代に入ったというべきでありましょう。
 自分達の所属するクラブに於いて、現在抱えている問題点は何か。まずは課題を抽出して、広く会員間で共有する。次いで、自分達クラブの長所と短所は、何か。長所を伸ばし、短所を克服する術はあるのか。自分達のクラブは、近未来にどんなクラブとなるべきなのか。目標を共有化して、目標に近づく方法を考える。方法論が見出せたなら、複数年に渡り、一歩でも理想に近づく努力を継続する。恐らくは、そんなプロセスを常態化させるべき時なのでありましょう。将来的な戦略計画に向けた一歩を踏み出す。今年度は、そんな年としてみては如何でしょう。


2017年08月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年8月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

マクロ経済の動向と、ロータリーの存在意義

 2015年の春でありました。当時、自由民主党の政調会長を務めていらした稲田氏は、2020年までに基礎的財政収支が均衡できない場合、日本政府は実質的な財政破綻状態に陥る可能性がある。そう発言をされております。私は発言の内容自体には驚きませんでしたが、政府与党の高官がここまで率直な物言いをした事に対しては、少なからず驚いた記憶があります。
 では、日本の基礎的財政収支の現状は、如何なるものであるのか。財務省が公表している試算によれば、消費税率を10%に引き上げ、名目で3%、実質で2%の経済成長を伴ったとしても、なお8兆円が不足するとの事であります。それに対し、現在は消費税率を8%に増税しただけであるにも関わらず、経済成長率は0%に近い水準に留まっている。稲田氏の発言が正しとするなら、日本はいずれ実質的な破綻状態に陥る事となります。
 実際、只今の国家予算において、一般会計の歳入に占める税収の割合は約半分に過ぎず、基礎的財政収支の均衡には約20兆円程度が不足をしております。これを実体経済の成長のみで賄うとすれば、現在の経済規模を約1.5倍に拡大する必要があり、その規模や残された時間的猶予において、実現不可能と断じざるを得ません。一方、これを歳出削減や増税で賄うとすれば、夫々に国民の総所得や可処分所得の低減を招き、恐慌に近いデフレ要因となりましょう。しかしデフレは、GDPの2倍を超える累積債務の発散を招き、財政破綻が視野に入ります。故に、日銀による金融抑圧政策に起因する物価上昇は、たとえ実質所得の減少を伴っても、是非もなく選択すべき必然であると言わざるを得ません。
 日本政府あるいは日本銀行がどのような政策を取ったにせよ、私は、日本のマクロ経済は強い逆風を経なければならない。そんな感覚と覚悟を持っております。とすれば、今後の日本で起きるであろう経済的な逆境にあって、否応なく輝きを増すのは、ポール・ハリスの標榜したロータリーでありましょう。ポール・ハリスに、「あなたは何故ロータリーを作ったのですか?」と問うたところ、「寂しかったから」と答えたという有名なエピソードがあります。それは恐らく、信頼関係に裏付けられたコミュニティーを欲していた。殺伐とした風潮にあって、安らぎを感じられる人間関係を欲していたのだと思います。
 私は、ロータリー創世記にあった得難い存在感、それが再び重要性を増す。そんな風に感じております。逆境の中にあってこそ、存在意義を増す。ロータリークラブとは、そんな存在であると、私は考えております。


2017年07月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年7月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

 いよいよ、2017-18年度が始まります。会長・幹事の皆様を始め、各クラブの会員の皆様には、溌溂として新年度を迎えられた事と存じます。私も、ガバナーエレクト就任以来、慌ただしく準備を重ねた一年でしたが、ガバナー年度の開始に当たり、再び気持ちを新たにして居ります。
 既に皆様ご承知の通り、イアンH.S.ライズリー会長による本年度RIテーマは、英文においては「ROTARY:MAKING A DIFFERENCE」、日本語訳では「ロータリー:変化をもたらす」でありました。このテーマをどう解釈すべきであるのか。RI会長は、自ら次のような文章を記していらっしゃいます。
 私にとってのロータリーとは、「どのような団体か」ではなく、「何をしているか」で定義される。
 2017ー18年度、「ロータリーとは何ですか」という問いに、私たちは「ロータリー:変化をもたらす」というテーマで答える。何故なら、それぞれどのような方法で奉仕する事を選んだとしても、その理由は、奉仕を通じて人々の人生に変化をもたらせると信じているからだ。私たちの活動は、誰かの人生をより良くしている。私たちがロータリーにとどまり続けるのは、ロータリーで充実感を得ることができるからである。この充実感は、「変化をもたらす」ロータリーの一員であることから湧き出てくるものなのである。
 RI会長の文章から、会長は、ロータリーが実践的・具体的な奉仕プロジェクトを通じ、その受益者たちの人生や境遇に変化をもたらそうと呼びかけている事が分かります。私は、RI会長は、このテーマを通じて、次の三つの事柄について言及していると思います。
 一つ目は、RIが標榜してきた世界有数のボランティア団体を目指すという方向性を、会長自らも継承し、推進するという事。二つ目は、その為に、私達ロータリアンに、実践的・具体的な奉仕プロジェクトを強く推奨している事。三つ目は、その奉仕プロジェクトは、自己満足に終始することなく、受益者の人生や境遇を変える結果を伴うものとすべき事。
 RI会長の真意は、このようなものである。少なくとも、私はそう理解を致しました。本年度、私は、2790地区の行動指針を「理念と実践~ Think Next~」と致しました。ロータリーが目的(綱領)に掲げる職業倫理を中心とした奉仕の理念。その理念を啓蒙し、理念を共有する会員の輪の拡大に資する為に、実践的な奉仕プロジェクトを推奨する。RIの戦略計画と、その励行を促すRI会長の負託に、私達ロータリアンは如何に対峙し、如何に応ずるべきなのか。皆様と共に考える一年としたいと思います。皆様のご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。


ガバナーの詳細メニュー

2017-18年度
国際ロータリー第2790地区
ガバナー事務所

〒260-0042
千葉市中央区椿森3-1-1-301

TEL 043-307-2790
FAX 043-307-2791

Email:17-18gov@rid2790.jp

地図