本文へスキップ

ガバナーメッセージ

ガバナー 青木 貞雄  地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年11月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

事業と運営

 ガバナーを拝命するに当たり、私は地区運営に関する基本的な考え方として、①理念と実践、②事業と運営、③継続と革新の三つの観点を提示いたしました。先月号では、①理念と実践についての私見を記しましたので、今日は②事業と運営について、記させて頂きます。
 平成20年から5年間に渡って行われた「公益法人の抜本的改革」によれば、公益財団法人や公益社団法人といった公益法人に認定される基準として、実施する個々の事業に対しては「収支相償」という概念が、財務諸表全体に対しては「公益目的事業比率」という概念が提示されました。
 収支相償とは、個々の事業を実施するに当たり事業から得られた収入と、事業を実施するに要した費用の比較で、公益事業と認定されるには、収入が支出を上回ってはならない事とされます。端的に申せば、公益事業は赤字で行われなければならないという事です。ロータリーの行う事業は、殆どが無償の行為によって提供される訳ですから、少なくとも収支相償については全く問題なく認められることになります。
 一方の公益目的事業比率ですが、これをクリアーする事は、中々ハードルが高くなります。そもそも公益事業の定義として、不特定かつ多数の福祉の向上に役立つ事業であるとされます。ですから、例えばロータリーの行う親睦事業。この受益者は会員自身という事となり、不特定多数ではありません。従って、共益的な事業として認知され、公益事業としては認められない事となります。ロータリーの行う社会奉仕や国際奉仕、青少年奉仕に掛かる費用のみが、公益事業費として認定されることになります。但し、一つ例外的な計算が許され、それはボランティアで参加した人員の人件費は、社会通念上常識的に判断される最低限の費用が掛かったものと見做してよいとされます。例えば、ある事業を実施するに当たり、ロータリアンが20人で5時間奉仕したとすれば、時給1000円×5時間×20人で、総額10万円の費用が掛かったものと見做してよい事になります。そのように計算した公益事業費が、年間を通した総額で、その法人の経常的支出の50%を超えている事。公益法人の認定を受けるには、この要件を満たさなければなりません。
 勿論、ロータリークラブは法人化されていない任意団体ですし、公益性の認定を目指している訳ではありません。そもそも会員間の親睦も、極めて重要な事業の柱の一つですから、公益目的事業比率を50%以上にすべき蓋然性はありません。しかし、RIが世界有数のボランティア団体を目指しているのであれば、私達の支出する会費の使われ方が、幾許かでも公益的に使われる比率を高める。そんな意識は大切であると思います。地区運営においても、公益目的事業比率を意識する。私はそんな思いを大切にしております。


2017年10月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年10月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

 ガバナーを拝命するに当たり、三大セミナーに向けて編纂いたしました冊子に、「2017-18年度地区運営方針」なる拙文を記しました。その文中、私は、地区運営に関する基本的な考え方として、①理念と実践、②事業と運営、③継続と革新の三つの観点からの考察を試みました。今月は、その内から、理念と実践についての私見を申し上げます。
 かの決議23-34が採択される前夜は、職業倫理を重視し団体としての奉仕活動に対しては隠匿の美を是とする理念派と、金銭的奉仕や身体的奉仕といった具体的かつ実践的奉仕活動を是とする実践派が、その対立を深めていたと聞き及びます。ポール・ハリスによるロータリークラブの設立が1905年でありますので、設立から僅か18年目の出来事です。加えて、メルビン・ジョーンズによるライオンズクラブの設立が1917年でありますから、ロータリーは創立後の間もない頃から、この二つのスタンスの間に介在するジレンマと対峙していたのだと言えましょう。
 只今のRIは、世界有数のボランティア団体を目指し、DLPやCLPの導入を推奨しております。しかしその方向性に対しては、ロータリーの根幹を成すべき職業倫理を軽んじているとの批判を間々耳に致します。他方、実践派からは、理念にのみ拘泥されるスタンスは、もはや世界の潮流に逆行し、頑なな姿勢はロータリーの衰退に繋がるとの批判もあるようです。
 2016年に行われた規定審議会による改変も、批判の対象として意識されております。2002-03年度RI会長であったビチャイ・ラタクル氏は、2016年4月に2830地区で行われた記念講演において、会員資格や出席に関する改変を例示した上で、「ロータリーは今や存続か否かの岐路にある」とまで言及し、危機感をあらわにしております(Back to Basics, 山崎淳一監修、2016年4月23日発行、参照)。しかし一方では、2016-17年RI会長であったジョン・ジャーム氏は、規定審議会による改変は、クラブの運営方法に柔軟性を認めたものであり、ロータリーの目的(綱領)や中核的価値観は一切変わっておらず、ロータリーの本質には全くの変質はないと述べております(2016年12月名古屋での情報研究会講演)。
 これら、見解やスタンスの相違をどう咀嚼し、どう解釈したら良いのか。結論から申すなら、私はこの事自体が、ロータリーの健全さを端的に示す証左であると考えます。いずれのスタンスも、共にロータリーに対する真摯の結果であり、健全な自己批判の表出である。更に私見を加えるなら、この二者は決して択一でなく共存できる。理念を掲げ、実践を示すことは、ロータリーを有意義ならしめる事こそあれ、名誉を損なうものではない。理念は実践を否定せず、実践は理念を否定しない。私は、そのように考えます。


2017年09月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年9月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

人口動態から考える戦略計画の必要性

 只今の日本の総人口が、既に減少を始めている事は、皆様ご承知の通りです。問題は、総人口の減少のみならず、それを上回る速度で進む生産年齢人口の減少と、高齢者人口の増加でありましょう。
 今年、いわゆる団塊世代の第一世代、昭和22年生まれの方々が、満70歳となられます。当然、今から5年後以降、団塊世代が次々と後期高齢者に達齢する事になります。ここ暫く、高齢者が思いがけない運転ミスを犯し、交通事故を起こしたとの報道を耳に致します。後期高齢者の増加した社会を維持するコストとは、どれ程になるのでありましょうか。
 一方で、介護の現場では、決定的な人手不足が生じているとの事であります。少ない生産年齢人口で、誰が社会を支えるのか。近い将来、更に本格化する高齢化問題は、解決の方法があるのでありましょうか。
 歪んだ人口動態に起因する諸問題は、恐らく今後、相当に長期化せざるを得ないでありましょう。只今の世代別の人口分布を見れば、70歳を目前に控えた団塊世代が、ひときわ大きく突出している。その次のピークは、只今40歳前後の世代、いわゆる団塊ジュニアです。団塊・団塊ジュニアに続く第三のピークは、存在しておりません。即ち、団塊ジュニアが死ぬまで、この歪んだ人口分布が解消する事はない。つまり、解消までに40年近い歳月が必要であることになります。
 生産年齢人口を、非生産年齢人口で除した数字が2を超えている状態を、人口ボーナスと呼ぶそうです。かつての日本の高度経済成長期が、まさに人口ボーナス期でありました。「成長は全てを覆い隠す」という格言があります。確かに高度経済成長期は、殆どの投資が肯定されて時代でした。しかし、只今のような人口オーナス、ダウンサイジングの時代には、問題を放置すれば傷口は更に広がる。即ち、時間が解決してくれない時代であると言えましょう。ロータリーも、例外ではありません。不作為は衰退を意味します。RIが推奨するように、単年度主義に捉われない、戦略計画が必要となる時代に入ったというべきでありましょう。
 自分達の所属するクラブに於いて、現在抱えている問題点は何か。まずは課題を抽出して、広く会員間で共有する。次いで、自分達クラブの長所と短所は、何か。長所を伸ばし、短所を克服する術はあるのか。自分達のクラブは、近未来にどんなクラブとなるべきなのか。目標を共有化して、目標に近づく方法を考える。方法論が見出せたなら、複数年に渡り、一歩でも理想に近づく努力を継続する。恐らくは、そんなプロセスを常態化させるべき時なのでありましょう。将来的な戦略計画に向けた一歩を踏み出す。今年度は、そんな年としてみては如何でしょう。


2017年08月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年8月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

マクロ経済の動向と、ロータリーの存在意義

 2015年の春でありました。当時、自由民主党の政調会長を務めていらした稲田氏は、2020年までに基礎的財政収支が均衡できない場合、日本政府は実質的な財政破綻状態に陥る可能性がある。そう発言をされております。私は発言の内容自体には驚きませんでしたが、政府与党の高官がここまで率直な物言いをした事に対しては、少なからず驚いた記憶があります。
 では、日本の基礎的財政収支の現状は、如何なるものであるのか。財務省が公表している試算によれば、消費税率を10%に引き上げ、名目で3%、実質で2%の経済成長を伴ったとしても、なお8兆円が不足するとの事であります。それに対し、現在は消費税率を8%に増税しただけであるにも関わらず、経済成長率は0%に近い水準に留まっている。稲田氏の発言が正しとするなら、日本はいずれ実質的な破綻状態に陥る事となります。
 実際、只今の国家予算において、一般会計の歳入に占める税収の割合は約半分に過ぎず、基礎的財政収支の均衡には約20兆円程度が不足をしております。これを実体経済の成長のみで賄うとすれば、現在の経済規模を約1.5倍に拡大する必要があり、その規模や残された時間的猶予において、実現不可能と断じざるを得ません。一方、これを歳出削減や増税で賄うとすれば、夫々に国民の総所得や可処分所得の低減を招き、恐慌に近いデフレ要因となりましょう。しかしデフレは、GDPの2倍を超える累積債務の発散を招き、財政破綻が視野に入ります。故に、日銀による金融抑圧政策に起因する物価上昇は、たとえ実質所得の減少を伴っても、是非もなく選択すべき必然であると言わざるを得ません。
 日本政府あるいは日本銀行がどのような政策を取ったにせよ、私は、日本のマクロ経済は強い逆風を経なければならない。そんな感覚と覚悟を持っております。とすれば、今後の日本で起きるであろう経済的な逆境にあって、否応なく輝きを増すのは、ポール・ハリスの標榜したロータリーでありましょう。ポール・ハリスに、「あなたは何故ロータリーを作ったのですか?」と問うたところ、「寂しかったから」と答えたという有名なエピソードがあります。それは恐らく、信頼関係に裏付けられたコミュニティーを欲していた。殺伐とした風潮にあって、安らぎを感じられる人間関係を欲していたのだと思います。
 私は、ロータリー創世記にあった得難い存在感、それが再び重要性を増す。そんな風に感じております。逆境の中にあってこそ、存在意義を増す。ロータリークラブとは、そんな存在であると、私は考えております。


2017年07月
 地区行動指針「理念と実践 ~Think Next~」
 2017年7月


国際ロータリー第2790地区
ガバナー 寺嶋 哲生

 いよいよ、2017-18年度が始まります。会長・幹事の皆様を始め、各クラブの会員の皆様には、溌溂として新年度を迎えられた事と存じます。私も、ガバナーエレクト就任以来、慌ただしく準備を重ねた一年でしたが、ガバナー年度の開始に当たり、再び気持ちを新たにして居ります。
 既に皆様ご承知の通り、イアンH.S.ライズリー会長による本年度RIテーマは、英文においては「ROTARY:MAKING A DIFFERENCE」、日本語訳では「ロータリー:変化をもたらす」でありました。このテーマをどう解釈すべきであるのか。RI会長は、自ら次のような文章を記していらっしゃいます。
 私にとってのロータリーとは、「どのような団体か」ではなく、「何をしているか」で定義される。
 2017ー18年度、「ロータリーとは何ですか」という問いに、私たちは「ロータリー:変化をもたらす」というテーマで答える。何故なら、それぞれどのような方法で奉仕する事を選んだとしても、その理由は、奉仕を通じて人々の人生に変化をもたらせると信じているからだ。私たちの活動は、誰かの人生をより良くしている。私たちがロータリーにとどまり続けるのは、ロータリーで充実感を得ることができるからである。この充実感は、「変化をもたらす」ロータリーの一員であることから湧き出てくるものなのである。
 RI会長の文章から、会長は、ロータリーが実践的・具体的な奉仕プロジェクトを通じ、その受益者たちの人生や境遇に変化をもたらそうと呼びかけている事が分かります。私は、RI会長は、このテーマを通じて、次の三つの事柄について言及していると思います。
 一つ目は、RIが標榜してきた世界有数のボランティア団体を目指すという方向性を、会長自らも継承し、推進するという事。二つ目は、その為に、私達ロータリアンに、実践的・具体的な奉仕プロジェクトを強く推奨している事。三つ目は、その奉仕プロジェクトは、自己満足に終始することなく、受益者の人生や境遇を変える結果を伴うものとすべき事。
 RI会長の真意は、このようなものである。少なくとも、私はそう理解を致しました。本年度、私は、2790地区の行動指針を「理念と実践~ Think Next~」と致しました。ロータリーが目的(綱領)に掲げる職業倫理を中心とした奉仕の理念。その理念を啓蒙し、理念を共有する会員の輪の拡大に資する為に、実践的な奉仕プロジェクトを推奨する。RIの戦略計画と、その励行を促すRI会長の負託に、私達ロータリアンは如何に対峙し、如何に応ずるべきなのか。皆様と共に考える一年としたいと思います。皆様のご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。


ガバナーの詳細メニュー

2017-18年度
国際ロータリー第2790地区
ガバナー事務所

〒260-0042
千葉市中央区椿森3-1-1-301

TEL 043-307-2790
FAX 043-307-2791

Email:17-18gov@rid2790.jp

地図