地区からのお知らせ
国際ロータリー第2790地区
ロータリークラブ 会長 及び 幹事 各位

冠省
最近あちこちのクラブから「CLP」についての問合せをいただいております。
CLPについては公式訪問など各種会合にて必ずその内容核心部分について 2002年より当地区でも実施済みのDLPとともに説明してまいりましたが、 今一段のご理解をいただきたく、ご参考までに下記資料をお送りします。

これは、2008年1月に行われました国際協議会初日に 李東建RI会長エレクト、ウィルフリッドJウィルキンソンRI会長に続いて 3番目にレイ・ヒギンボサム氏が話したものです。
その核心部分は2ページ目の5〜9行目にはっきりと、記載があります。
なお、さらに2005-07年度重田RI理事も、同様内容の原稿を 作成しています。-
ご理解の程宜しくお願いします。
草々

ガバナー ア山 征雄

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クラブ・リーダーシップ・プラン:
消滅させることなく採り入れよう

レイ・ヒギンボサム.
元RI地区ガバナー

「変化」という言葉をますます耳にするようになりましたが、これは私たちがまさに変化の時代に生きているからです。キャリアの大半を通じて、私は大組織に急速な変化を導入するという仕事に携わってまいりましたが、この経験を通じて、私はあることに気づきました。それは、変化を受け入れる組織は繁栄の可能性が高く、変化を避けようとする組織、または変化に取り残されてしまった組織は、次第に忘れ去られていくということです。

このような現実を思い知らせるかのように、ある有名なビジネス経営大学院は、その卒業生に「Adapt or Perish(適応するか、滅びるか)」と刻まれた恐竜の形をしたブロンズ製の文鎮を贈っているそうです。これは、組織が今日的な意味を持ち続けるためには、進化し続けていかなければならないことを卒業生たちに伝えているのです。

ロータリーにとっての課題は次のようになります。「社会の急激な変化に我々は適応していくべきか、それとも恐竜の仲間入りをするか」

先のモットーが示すように、肝心なのは適応であり、新しいアプローチを開発することです。換言すれば、革新か、死か、ということです。「生き残るには変化という代償を払わねばならない」とは、ウィンストン・チャーチルの言葉です。

21世紀のはじめにあたる現在、現在社会の特徴を成す急激な変化については、あちこちで書かれています。世界の国々は、政治、経済、社会構造の劇的な転換期を迎えています。毎日の生活にも情報が氾濫し、ニュース、広告、インターネットから個人が得られる情報量には、まさに驚くべきものがあります。私たちは、情報時代から知識の時代へと移行しつつあるのですが、「知識の時代」を明確に特徴づけるもの、それは終わりのない変化です。「知識の時代」は、絶え間ない変化の氾濫をもたらし、また、その周期もさらに加速しています。次の事実について考えてみましょう。
● 知識ベースは2、3年ごとに倍増している。
● 毎日、7,000の科学的・技術的論文が発表されている。
● 大学の新入学生がそれまでに見たり読んだりした情報の量は、その祖父が生涯に経験した情報量
よりも多い。
● 今後30年間に起こる変化は、過去3世紀に起こった変化と同じくらいである。
● ロータリーはこうした社会的変化の影響にさらされており、私たちはこれに対応しなければならない。

こうした状況を受けて、国際ロータリーは、奉仕の第二世紀に当組織を導いてくれるビジョンと長期計画の立案を開始しました。
クラブ・レベルでの支援を提供するために、クラブ・リーダーシップ・プランが作られました。これは地区リーダーシップ・プランの延長であり、ロータリーの安定と成長、そして成功に極めて重要なものです。クラブに指導のテクニックを提供するとともに、クラブの活動を導く管理的枠組みとなるものです。

クラブ・リーダーシップ・プランが、四大奉仕部門に取って代わる新しい委員会構成であると言われるのをしばしば耳にしますが、これは悲しいことです。意図するところはそうではなく、四大奉仕部門はこれからもロータリーの哲学的な礎石であり続けます。
クラブ・リーダーシップ・プランは、単なる新しい委員会構成に留まるものではありません。クラブが望むなら、プランを実施しても委員会構成は以前のままに残すこともできるのです。

クラブ・リーダーシップ・プランの本質は、いくつかの重要なプロセスにあります。クラブ・リーダーシップ・プランの目的は、クラブのレベルでロータリーを強化することです。
● プロジェクトおよび意思決定の継続性
● 意思決定と目標設定に関する見解の統一
● 奉仕と親睦活動のバランス
● 充分な研修を受けたクラブ指導者層の増大
● 会員全員が積極的に参加することへの期待
● 全会員への継続教育の機会
● クラブ指導者の引継ぎ計画

クラブ・リーダーシップ・プランは、各クラブが独自の特性(アイデンティティー)を築くための土台を提供します。施行の段階は、すべてのロータリー・クラブが効果的となるために欠かすことのできないリーダーシップのプロセスなのです。皆さんも、ビジネスではこれらと同じ重要なリーダーシップのプロセスを踏んでいるものと存じます。クラブは、独自に選んだ方法でこれらに取り組むことができます。柔軟性のあるクラブ・リーダーシップ・プランは、ロータリー世界のどこででも実施することができます。プランは、ロータリーの創立以来、大きな成功を収めているクラブが用いてきた最善の方法(ベストプラクティス)に基づいています。

クラブ・リーダーシップ・プランの採用においては、現在、興味深い段階を迎えています。プランについて知り、実施しているクラブも多くありますが、まったく採用を考えていないクラブも多くあります。採用しているクラブも、毎年、プランを見直す必要があり、これは終わりなき旅のようです。

年に1人か2人の会員が純減して、いつの間にかひっそりと消滅していくクラブのことをよく耳にします。こうしたクラブの指導者の多くは、スキルと洞察力を備えておられるがゆえに、地域社会のビジネスで成功した方々です。もし、自分たちの事業が縮小しているとしたら、この方々は、ビジョンとキープロセスを見直し、それが時代遅れのものとならないようにするはずです。皮肉なことに、私たちはビジネスに有能な男女を会員として迎え入れているにもかかわらず、クラブの指導という点では、こうしたビジネスのスキルの活用をあまり奨励していません。多くのクラブは「いつもそうしてきたから」的なアプローチを好んでいます。
過去12年間、ロータリーは、会員を惹きつけ、維持するために甚大な努力を傾けてきました。多くの新会員を入会させることができた一方で、その多くが1年目で退会してしまうのも事実です。なぜ新会員を維持できないのでしょうか。これには、クラブ指導者の質が大きく影響する、と私は信じています。効果的な指導者は、クラブの例会の雰囲気をつくり、進路や数々の目標を定め、成果をねぎらいます。

次にその一例をご紹介します。最近、30代前半の聡明で人好きのする青年がロータリーに入会しました。私は彼に、会員となったことに満足していないと打ち明けられました。リーダーとしてのノウハウを学び、人脈をつくり、年長の会員を恩師とし、そしてもちろん、世界でよいことをするためのプロジェクトに参加する機会を望んでいたそうですが、私たちは彼の期待に応えていません。彼はクラブに留まり続けるでしょうか。いつの日かロータリーで偉大な指導者となる資質とエネルギーを備えた青年ですから、とどまってくれることを望んでいます。しかし、彼の捧げる時間や熱意と引き換えに、彼が望むものを与えなければ、彼は退会を決意することでしょう。

この偉大なる組織の未来は、クラブを導く指導者、つまり皆さんの地区のクラブ会長エレクトの肩にかかっています。必要な指導力は、既に会員の中から得ることができます。こうした指導力が、クラブ発展のために集中して活用されるよう、私たちは手続きを導入せねばなりません。クラブ・リーダーシップ・プランが形成されたのは、まさにこの理由からなのです。

来る年度にクラブを効果的に導くことは、地区指導者である皆さんの役割です。「夢をかたちに」という李東建会長エレクトのテーマを支援する一つの確かな方法、それは、地区内のクラブがこのプランを導入するよう奨励することです。

リーダーシップのベストプラクティスを伝え、支援することは、ガバナー・エレクトである皆さんの責務です。手段は整っています。あとは、導入を支援するために皆さんの助けが必要です。このチャレンジに立ち向かい、地区でのPETSでクラブ・リーダーシップ・プランを主要なトピックとして取り上げ、地区内クラブの指導者を助けながらプランの活用を自ら推進していただけるよう、皆さんにお願い申し上げます。皆さんにリーダーシップを発揮していただければ、会員を増やし、維持できる強くて効果的なクラブの伝統を作り出すこととなるでしょう。

組織改革は簡単ではありません。忍耐と粘り強さを必要としますが、生き残るためにはそうするしかありません。恐竜の辿った運命、「適応するか、滅びるか」を忘れないでください。

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